仕込の合間
朝晩の気温が大分低くなりました。
といっても、まだ日中は半袖でも過ごせるくらいです。
石孫の蔵は、夏の間は熟成を待つ期間。仕込の作業はありませんが、次の仕込に備えて道具の手入れ、蔵の整備、…屋根の塗装なども行います。
天井の高さまで積み上げているのは通称‘ダシ箱’。麹を作るための「麹蓋(こうじぶた)」です。
一枚一枚、丁寧に洗い、仕込作業が始まるのを待っているところです。
天然杉で出来ていて、1200枚ほどあるのですが、毎日400枚ずつ使い、全部に麹を仕込むことになります。
この麹蓋を使って麹を作る、という工程がありますので、石孫の味噌や醤油は正真正銘”手作り”と言っても良いのです。
味噌の仕込では米の麹を造りますが、醤油の仕込では大豆で麹を造ります。
この大豆の麹がなかなか繊細で、同じ大豆の製品である納豆は天敵!納豆菌というのは本当に強くて、大豆の麹菌が納豆菌に負けてしまうため、蔵人たちはもちろん、事務所や詰め場のスタッフも家族も納豆を食べることは厳禁となります。
麦炒り機の周りも準備が調っています。
薪と一緒に壊れて使えなくなった麹蓋が…。
薪と共に焚き付けに使われ、最後の使命を全うします。
石炭も大切。手に入りにくくなり、一時は貨物列車のコンテナひとつ分を購入しなければいけないほどでした。
この石炭は麦を炒るのに使うのですが、この方法で現役の麦炒り機は日本中探してもほとんどなくなり、現存するのは石孫だけと言ってもいいほどなんだとか。
実際に仕込が始まりましたら、稼働しているところもご紹介したいと思います!
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